80s POP ART

EDITORIALBACK NUMBERに『Out Line』というテーマの作品があります。

その『Out Line』80sのアイコンの一人である Grace Jones グレイスジョーンズの角刈りのようなスクエアなシルエット、(アウトライン)からインスピレーションされました。

グレイスジョーンズを語るにおいて欠かせないのが、Jean- Paul Goude ジャン=ポール グード。

彼女の髪型を作った張本人であり、グレイスをミューズとして彼女のCDジャケットをはじめ、数々のアート作品を手掛け、グレイスを歌手から80sを代表するアイコンにまでのし上げました。

ジャン=ポール グードといえば、アーティスト、イラストレーター、広告デザイナー、肩書きをフォーカスすることなく表現をし続ける“イメージメーカー”である。

ということで、80年代を代表する、『グレイスジョーンズ』、『ジャン=ポール グード』を特集していきます。




Grace Jones  グレイス・ジョーンズ


70s80sに一世を風靡したジャマイカ出身のスーパーモデル、歌手、女優。

​1970年代にアンディー・ウォーホルのミューズとなった。

彼らはニューヨークに構える伝説のクラブハウス『STUDIO 54』で出会った。



アンディ・ウォーホルを始め、マイケル・ジャクソンミック・ジャガーマドンナカルバン・クラインイヴ・サンローランといった多くの著名人達が毎夜集まり、ファッション、ミュージック、アートの情報発信するディスコとしてその名は全世界に広まった。

そこには「VELVET CODE」と言われるドレスコードの決まりがあり、ドアの前で服装をチェックされるといった、感度の高い者しか入店出来ない、うかつに誰しもが入れるものではないほど敷居の高いハコとしても有名でありました。

そして、その場所でひと際目立ち、段違いのオーラを放っていたグレイス・ジョーンズに目をつけたアンディ・ウォーホルは、それからというもの彼女を自身のアートワークのミューズとして起用する様になりました。



それからキース・ヘリングも含めた交流が始まり、84〜86年にかけ当時、ストリートアートの先駆者としてその名を轟かせていたキース・ヘリングはグレイス・ジョーンズのプロモーションへアンディ・ウォーホルと共に参加した。



さらにプロモーション写真では最高峰の写真家ロバート・メイプルソープが撮り下ろすなど、誰しもがグレイス・ジョーンズに虜になりました。


グレース・ジョーンズ(Grace Jones)が音楽界に残した功績は、その革新性な音と挑発的な歌詞、そして恐れ知らずの実験性にある。しかし、彼女をミュージシャンからアイコンにまで押し上げるのに、アルバムのアートワークが果たした役割も忘れてはいけないだろう。





吠えるジョーンズの顔が縦に引き伸ばされた『Slave to the Rhythm』から、優雅にポーズを決める『Island Life』のアートワークまで、ジョーンズの視覚的インパクトは現代のポップカルチャーにも影響を残している。それらビジュアルは、ジャン=ポール・グード(Jean-Paul Goude)なくして生まれえなかった。




Jean-Paul Goude ジャン=ポール グード


60年代にイラストレーターとして活動し、70年代にアメリカで雑誌『Esquire』のディレクターに就任。

​80年代には、グレイス・ジョーンズをはじめ、名だたるアーティストとコラボレーションし、名を馳せる。

フランス人のアーティストでグラフィックデザイナーでもある彼は、70年代後期のニューヨークで、ジョーンズとの運命的な出会いを果たした。ふたりの共作関係は、音楽史に残る影響力をもつに至った。

彼はジョーンズをなによりもアートの媒体として扱った。個人的な関係を壊してまでも、グードはアートワーク上に、超現実的な天上のミューズとして彼女を描きだそうとした。

ジョーンズに流れるジャマイカの血と身体的特徴を際立たせることで、芸術家のビジョンと異国のミューズが見事に調和をみせ、ジョーンズのありのままの姿を具現化したGrace Jonesが誕生したのだ。


彼女は音楽界を超えて文化的な一大事件にまでなった。そしてグードの作品がそれを誇張し、形に残した。

その巧みな手法によって、グードは「アイコンになるべくして生まれてきた存在」というジョーンズのイメージを作り出した。

そしてふたりは、際立ったイメージと同時に謎に包まれたGrace Jonesという伝説を築き上げた。

彼女は同性愛者たちからの支持を集め、今でも彼らのアイコンとして讃えられている。

彼女の容姿もまた、さまざまな反響を巻き起こした。その際立ったビジュアルによって、三宅一生ティエリー・ミュグレーなどのデザイナーたちが彼女を女神と崇めた一方、メインストリームでは困惑が広がった。

この性の曖昧さはグードによって模索され、究極のかたちで表現されることになる。"定義付け"への抵抗を、ヴィジュアル製作のなかで表現したのだ。

グードが作るGrace Jonesは、男でもなく、女でもなく、人間でもないのだ。




グードはグレースとのアートワークの他にも名だたる歌姫とのコラボレーションや、89年には、フランス革命200周年記念パレードの芸術監督を務め、世界中に生中継された。

以降、シャネルほか有名ブランドの広告キャンペーンやエディトリアルを数多く手がける。


​2014年には日本での『イメージメーカー展』に参加。このタイトルはグードからインスパイアされたものだという。


​2018年11月、シャネルと20年にわたってつくり上げてきたコマーシャルフィルムや、自身の発表してきたビジュアル作品を、グード自らがセレクトした個展『In Goude we trust!』が、シャネル・ネクサス・ホールで開催されました。

どこまでも前衛的で、誰よりも革新的。一度見たら決して忘れられないインパクトを与え続ける奇才・ジャン=ポール グード。

凡人には到底、生み出せぬアイデア力と、高い感度が作り上げるアートワークの数々は、美術業界のみならず、音楽、広告、ファッション業界まで多大な影響を与え続け

現在もなお、写真家、グラフィックアーティスト、デザイナー、映像監督など多岐にわたり活躍しています。


​数多くのアートワークを残し続けているジャン=ポール グードの写真集『JEAN- PAUL GOUDE』、『JUNGLE FEVER』も是非ご覧になってみて下さい。



ERI